皮膚の傷ついた部分が赤く盛り上がり，痛みやかゆみをともなうのが肥厚性瘢痕やケロイドである．尋常性痤瘡をきっかけに生じる痤瘡瘢痕で炎症が続くと，肥厚性瘢痕やケロイドとなる．痤瘡瘢痕に悩む患者は決して少なくない．重症になると手術や放射線治療となるため，軽症の段階で治療を開始し，悪化させないことが重要である．また，発症メカニズムやリスク因子を理解しておく必要もある．今回は，長期にわたり肥厚性瘢痕やケロイドの研究に携わってこられた小川令先生に，リスク因子や有効な治療法について伺った．