肥満対応については,俗にいう「GLP-1ダイエット」1)やSGTL-2阻害剤による治療や,腸内フローラであるブラウティア菌(いわゆる痩せ菌)などを用いる考え2)など,多くの手法が進んでいる.しかし,一方で,その適応に合わない人でも痩身を求める場合も多い.また,アンチエイジング医学的な立場からは,成長,発達,30歳以降の体型変化,あるいは50歳以降のホルモン変化も含めた健康寿命延伸のための痩身があると考えられる.これらは,未病への対応を行う東洋医学的な養生としての痩身と一致している.そこで,漢方を用いて,肥満治療をサポートする際の,気・血・水・陰陽の基本的な概念と典型処方を解説し,代謝,便秘,月経,およびダイエット時の副作用への対応についてまとめた.