【特集 幹細胞培養上清】
Feature Articles 特集論文 1.化粧品に活用される幹細胞の由来
掲載誌
Bella Pelle
Vol.8 No.4 12-18,
2023
著者名
日比野 佐和子
/
林田 康隆
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
その他
診療科目
美容外科
/
美容皮膚科
媒体
Bella Pelle
ヒトの体には,幹細胞を介した内因性の再生システムが備わっており,幹細胞はほぼすべての種類の組織に存在する.幹細胞には,より多くの幹細胞を生み出す自己複製能と,適切な条件下でさまざまな系統に分化する多分化能という2つの決定的な性質があり,胚性幹細胞(embryonic stem cell;ESC)と体性幹細胞(somatic stem cell;SSC)の2種類に分類されている(図1).再生医療の主要な課題としては,組織の再生のために何をどう使うかと,そこに係る妥当性と安全性の確保にある.細胞ソースとして何を使うか,あるいは使わないのかによって,コストの問題や個体差の問題,社会的および倫理的問題が生じてくる.その一方で,再生医療における,幹細胞治療に対する社会的期待と関心は非常に高く,その分,完璧な治療というイメージが一人歩きしている現状もある.過大な治療効果を謳わないように,科学的根拠のもと,正しく使用する必要がある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。