上腕の毛孔性苔癬は学童期から思春期にかけて,男女の両上腕に慢性に継続する毛孔一致性の多発性丘疹である.一般的には「鳥肌」とも呼ばれ,触るとおろし金のようにザラザラ,ブツブツとしている.皮膚科において診療頻度の高いcommon diseaseのひとつであり,「上腕の美容」を語るうえでは欠かせない疾患となっている(図1).

わが国では有病率が高く,軽症例も含めると10歳代で30~40%に認められる1).20歳代では50%とさらに高頻度となるが,30歳代では10%と自然消退がみられるようになる2).発症に性差はない.