紫外線による急性の皮膚障害としてサンバーン(赤くなる,紅斑)とサンタン(黒くなる,遅延型色素沈着)がある.これらの反応には個人差があり,その分類基準としてスキンタイプがある.スキンタイプ(skin type,skin phototype [SPT])とは,紫外線に対する個々人の感受性を示すもので,露光に対する皮膚の反応の既往歴によって決定される.
スキンタイプはまずFitzpatrick2)によって1975年に白人(Caucasians)の日光に対する反応(Ⅰ~Ⅳ)を中心として発表された.その後Ⅴ(Hispanic)とⅥ(African Black)が追加された(表1).現在このスキンタイプはFitzpatrick skin phototype(FSPT)と呼ばれることが多い.FSPTは皮膚色(Ⅰ~Ⅲが白色,Ⅳが淡褐色,Ⅴが褐色,Ⅵが黒色),最少紅斑量(minimal erythema dose;MED),紫外線感受性,サンバーンとサンタンの既往によって決定される.日本人を含むアジア人の多くはⅢ,Ⅳ,Ⅴに分類される.またFSPTⅢ~Ⅵをdarker skin type(皮膚色が濃いタイプ)ということもある.
スキンタイプ(FSPTⅠ/Ⅱ)とfair skinは有棘細胞癌・基底細胞癌・悪性黒色腫などの皮膚癌発生の危険因子として確立している.DNA損傷との関連でも,J-Ⅰ(後述)のほうが多く,修復もFSPTⅠ/ⅡよりもⅣが良いとう報告がある.