ここ十数年でわが国の痤瘡(にきび)治療には大きな進歩がみられた.2008年にはわが国独自の『尋常性痤瘡治療ガイドライン』が発表され,以降2度の改訂を経て薬剤のラインアップも欧米並みにそろいつつある.痤瘡治療のポイントはいかに急性の炎症性皮疹を抑え,瘢痕を残さないかに尽きる.患者満足度をより高めるためには,保険診療とともに自由診療を併用した治療も1つの選択肢になり得ると考えている.そうした観点から,本日のモーニングセミナー9「アクネ治療の新戦略」は,まさに時宜を得た企画といえる.中﨑恵美先生には「新RF治療機AcGenによる痤瘡治療とたるみ治療」,尾見徳弥先生には「高周波(RF)の温熱効果でのp.acnesへの影響による痤瘡治療」という演題で,いずれも高周波治療機による痤瘡治療の実際についてお話しいただく.今後の痤瘡治療に重要なヒントと新たな展望をもたらしてくれるに違いないと期待している.