2018年に本邦でBRACAnalysis診断システム(以下BRACAnalysis)が保険適用となり,保険診療下でのBRCA検査の幕が開いた。この時点でのBRACAnalysisは,後述するオラパリブの適応症例を選別するためのコンパニオン診断としての使用に限定されていた。その後,2020年にBRACAnalysisは,遺伝性乳癌卵巣癌症候群[hereditary breast and ovarian cancer syndrome(以下HBOC)]の診断用検査としての適用が追加された。BRCA検査のひとつであるBRACAnalysisは乳癌医療に大きな進歩をもたらし,いまや日常診療の中でなくてはならない検査になった。
ここでは,BRCA検査の臨床的意義を改めて考え,BRCA検査を取り入れた乳癌医療の現状を把握するとともに,今後の目指すべき医療についても考察したい。