乳癌に対する薬物療法中に血小板減少を認める機会は少なくありません。血小板減少は致死的な出血を引き起こす危険性があり,また血球減少の遷延により治療継続,治療強度の維持が困難となりますので対策が重要です。原因としては抗癌剤による血液毒性のほかに,癌骨髄浸潤やDIC,感染症,脾機能亢進などが挙げられます。抗癌剤が原因であることが多いのですが,あくまでも除外診断となるため常にほかの要因について検討しておく必要があります。特にDICは固有の症状を示さないため,初期の症状を見過ごされる局面も経験します。