CLEOPATRA試験1)により,トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル併用療法がHER2陽性進行・再発乳癌の一次治療の標準となった。この併用療法では,奏効率80.2%,無増悪生存期間(PFS)中央値12.4ヵ月,全生存期間(OS)中央値56.5ヵ月と有意に生存期間の延長を認めたが,一方,ドセタキセルによる浮腫,脱毛,末梢神経障害などの有害事象に伴うQOLの低下,また好中球減少(G3/4)が48.9%,発熱性好中球減少が13.8%と実施の安全性に懸念がある。同等の効果が期待でき,副作用の軽減された治療法の開発は患者ニーズの面からも重要な臨床的課題である。そこでHER2陽性進行・再発乳癌におけるトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン併用療法とトラスツズマブ+ペルツズマブ+エリブリン併用療法を比較検討する第Ⅲ相臨床研究を計画,開始した。