乳癌の最終診断として病理組織診断が何よりも重要であるのは今でも変わらない。加えて患者の臨床予後因子としても病理組織学的所見はきわめて重要なことが知られており,1950年代にBloom/Richardsonらにより提唱された指標はきわめて有効であることが知られてきた1)。しかし細胞学的,組織構築などを総合的に判断するこのhistological gradingはやや煩雑であり病理診断医間の判定の差異が大きいなど多くの限界点が報告され,その後30年間以上必ずしも広範に診断の現場で使用されるわけではなかった。