MammaPrintはオランダのがんセンターで開発され,FDAでも認可されている早期乳癌の予後予測のための70遺伝子signatureを用いた遺伝子検査である。OncotypeDXと違いホルモン受容体陰性も対象となる。MINDACT試験は,臨床病理学的因子およびMammaPrint検査それぞれから再発リスクを高低に分類し,両者の解離がある場合は,化学療法の有無につき無作為化割り付けを行い,臨床病理学的に高リスクと診断されてもMammaPrintで低リスクの場合,化学療法を省略しても予後を悪化させないかを確認する試験である。EORTC,BIGの枠組みで111施設から6,693人の女性が参加して行われた第Ⅲ相試験である。
2016年に無作為化群の成績が発表され,臨床病理学的に高リスクであっても遺伝検査で低リスクの場合には化学療法の有無にかかわらず,5年遠隔無再発生存率は94%と同等であった(evidence level 1A)。また臨床病理学的高リスクのうち,遺伝子検査により化学療法を回避できる群が46%となることも示された。