癌生物学,癌治療の発展とともに,治療方針を決定する際に組織型などの基本的な情報のみならず,腫瘍の特徴を表すバイオマーカーを検索することが重要になっている。乳癌においてはホルモン受容体発現,HER2過剰発現がすでに治療選択に応用されており,PIK3CA の変異やESR1 の変異などが今後の治療選択に応用されるようになる可能性が高い。従来は,手術検体など初回治療前の組織を用いてバイオマーカー検索をしていた。一方,バイオマーカーは治療や病勢の経過とともに変化することが知られており,新たな変異などによる獲得耐性の種類によって治療方針が変わりうる。このため,治療に耐性を生じた際は再生検を行うことによりバイオマーカーを再確認することが求められている。
臨床医のための乳腺基礎医学
乳癌におけるliquid biopsyの進展
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.3 No.1 21-25,
2017
著者名
下村 昭彦
/
落谷孝広
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。