State of the ART(CANCER BOARD of the BREAST)
人工知能の応用
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.3 No.1 15-19,
2017
著者名
杉本昌弘
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
「ポイント」
・人工知能を使えば統計解析よりも高精度に特定の病態や治療効果を予測できる可能性がある。
・従来の人工知能ではどのような特徴を使えば高い予測精度が得られるのか,その特徴をよく理解している専門家が設計しなければならない問題があった。
・ディープラーニングは,予測に必要な変数の抽出も自動で行うため,専門家による変数設計の負担を低減することができる。
・近年電子カルテの情報を集めるビッグデータ化プロジェクトが多く走っているが,ディープラーニングを使うことで,その集めたデータから重要な予測因子の発見や予測モデルを開発できる可能性が高まると考えられる。
人工知能または機械学習(正確には意味が違うがここでは同義に扱う)は,1970年代ごろの古くから研究が行われてきてさまざまな分野に活用されているが,あまりに枯れた技術であったため意識して人工知能という言葉が使われることは少なくなってきていた。しかし近年,再び注目されている。囲碁をはじめとしたさまざまなゲームで,人間のチャンピオンを打ち負かすほど強いレベルのアルゴリズムが登場し,劇的に強くなるという技術革新があった。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。