「妊娠・出産の基礎知識」
「1.背景」2015(平成27)年度の日本の年間出生数は約100万人で,1975(昭和50)年以降,年々減少傾向にある。一方で出産時年齢が35歳以上の「高齢妊娠」は,晩婚化や出産年齢の高年化といった社会的背景により年々増加し,2013(平成25)年には約27万件と年間出生数の約1/4を占めている。35歳を境に妊娠・出産のリスクが急増するわけではないが,加齢とともに卵の質・数共に低下してくること,流産率が増加すること,またさまざまな内科的・婦人科的合併症も増加していく。さらに,生殖補助医療(ART)による妊娠も増えていて,2013年には出生数は4万件を超えた。そのほか,以前では妊娠・出産できなかったような合併症をもつ妊婦も増えていて,われわれ産科医にとっては,取り扱わなければならないハイリスク妊娠が増えていると言える。