よくわかる病理診断報告書
Q7 粘液を産生する乳腺病変について教えてください
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.2 No.2 28-29,
2016
著者名
森谷 卓也
/
稲吉 貴絵
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
粘液を伴う乳腺病変の代表は粘液癌です。豊富な粘液塊(粘液湖)のなかに,癌胞巣が浮遊する特徴的な組織像を示します(図1)。乳癌全体の3%程度を占め,比較的高齢の女性に好発します。粘液と癌胞巣の面積比は症例ごとに異なっており,癌胞巣が優勢なタイプは神経内分泌分化を示すことがあります。Estrogen receptor(ER)とprogesterone receptor(PgR)はともに陽性,HER2 は陰性で,グレードが低い症例が多く,概して予後が良好な腫瘍です。ただし,混合型粘液癌の場合には,混在する通常型乳管癌成分による影響を受けることがあります。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。