ギャンブルやゲームのオンライン化により,若年層における問題が深刻化している。オンラインカジノはわが国では違法であるにもかかわらず,警察庁の調査によると,経験者数は約337万人,国内における年間の賭け金は総額1.2兆円にのぼると推計されている1)。また,2022年に改訂されたICD-11において,行動嗜癖の扱いに大きな変化がみられた点からも,社会的認知が向上しているといえる。そこで今回は「行動嗜癖の現在地―ゲームとギャンブルを中心に―」をテーマに,アディクションを専門とする先生方にお集まりいただき,わが国における行動嗜癖の実態や病態,対策や治療法についてご討議いただいた。