Doctor Interview
一人ひとりに合った就労の課題を解決し,患者さんの人生を支える
掲載誌
精神科臨床 Legato
Vol.11 No.1 54-57,
2025
著者名
堀 輝
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
精神科臨床 Legato
長野県長野市,善光寺の近くで生まれ育ちました。小学2年生のときに虫垂炎になり,入院・手術が必要となって不安が大きいなか,医師や看護師に丁寧に対応してもらったことを覚えています。子どもながらに,「救ってもらった」という思いが強かったですね。中学2年生になると,今度は父親が心筋梗塞を発症して救命され,「医師になりたい」と考えるようになりました。
産業医科大学に入学してさまざまな領域を学びながら,3,4年時にはすでに心の動きや脳科学に興味を抱いていました。われわれ人間は生きていくなかで,他者とのかかわりにより感情が揺れ,行動が変わると誰しも実感します。臨床実習に入ってからも,「人をみる」ことに惹かれ,精神科医として多くの患者さんを診て,心の分野を極めたいと思いました。
産業医科大学は産業医の育成を重要なミッションとしています。そのため学生は,通常の医学教育に上乗せするかたちで,産業医学を学びます。私も航空会社に1週間実習に行くなど,企業や社会と接点をもつ機会がありました。今となってはそうした経験が,医師としてだけでなく,社会人としての見識を広げるのに役立ったと思います。医師になってからも専属産業医として,工場の作業着を着用して勤務していた時期もあり,企業の側から医療を理解できたことは貴重な経験だったと思います。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。