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Culture in Psychiatry
夏目漱石とモンテーニュ―自己分析的な知識人の系譜―

掲載誌
精神科臨床 Legato Vol.10 No.2 66-67, 2024
著者名
高橋 正雄
記事体裁
抄録 / 連載 / コラム
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科 / 精神科
媒体
精神科臨床 Legato

夏目漱石(1867~1916年)とミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592年)は,作家や随想家という枠に収まりきらない知識人の代表格のような存在であるが,この洋の東西を代表する知識人にはいくつかの共通点があるように思われる[以下,モンテーニュの文章は『エセー』(原 二郎訳,岩波書店)からの引用である]。 第一は,その自己分析的な傾向である。漱石が「僕のはいつでも自分の心理現象の解剖であります。僕にはそれが一番力強い説明です」(大正3年1月13日畔柳都太郎宛書簡)と語るごとく,モンテーニュも「ここ数年来,私は,私だけを思索の目標とし,私だけを検査し,研究している」(第2巻第6章),「私は私の内部を見つめる。私は私にしか用がない。絶えず私を考え,私を調べ,私を味わう」と語るなど,両者にはともに自らの内面を見つめる自己分析的な傾向が強い。 第二は,自己批判・自己否定的な傾向である。『吾輩は猫である』(以下,『猫』)では,漱石の分身的な存在である中学の英語教師・苦沙弥が,もう一人の分身的な存在である猫から「実際は家の者がいうような勤勉家ではない」「この主人は何といって人に勝れて出来る事もない」と揶揄されるように,苦沙弥という自らの分身の弱点が容赦なく暴露されている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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