Doctor Interview
うつ病と認知症の関連をPETによって見出し,早期診断・鑑別につなげる
掲載誌
精神科臨床 Legato
Vol.9 No.3 52-55,
2023
著者名
舘野 周
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
精神科臨床 Legato
私の父(舘野之男氏)は放射線科の医師で,放射線医学総合研究所(現・量子科学技術研究開発機構)において陽電子放出断層撮影法(positron emission tomography:PET)を用いた脳の神経伝達機能の研究などを行っていました。前任教授の大久保善朗先生も,PETによる統合失調症患者のドパミン受容体研究で世界的に注目される成果をあげていますが,分子イメージングの技術は,放射線医学総合研究所との共同研究で培われたものです。
私自身は子どものころから脳の活動に興味があり,医師となってからは,脳の器質的な問題で生じる精神疾患に惹かれるようになりました。精神疾患には内因性といわれる機能性のうつ病,統合失調症がありますが,それらの疾患の原因は不明です。一方,精神疾患でも脳梗塞や甲状腺低下に伴ううつ病は原因がわかりやすく,それらの病態を抱えることの多い高齢者が研究の対象となっていきました。高齢者のうつ病などの精神疾患が認知症とかかわることがみえてきて,現在はその関連についてPETを用いた研究を行っています。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。