Trends in Psychiatry
書籍『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』
掲載誌
精神科臨床 Legato
Vol.9 No.1 54-57,
2023
著者名
松本 俊彦
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
精神科臨床 Legato
本書は,月刊「みすず」2018年5月号(670号)から2020年12月号(699号)に掲載された不定期連載「依存症,かえられるもの/かえられないもの」に加筆修正を加えたものです。
みすず書房は高校時代から憧れの出版社で,監修などの依頼は引き受けていましたが,著者として書くのは畏れ多いと思っていました。2018年に薬物依存症の新書を書き終え,学術的なことを書くのに燃え尽きていたとき,みすず書房の編集者からエッセイ連載の提案をもらったのです。そういうタイミングなのかな,というめぐり合わせを感じて快諾した経緯があります。
連載が始まる前の企画段階では,幅広い読者を想定しながらも,内容としては薬物依存症に関するものを考えていました。ただ,専門書をかみ砕いてわかりやすくした内容では,薬物の問題に関心をもってもらうには弱い。もっと物語的な,書き手の声を伝えたほうがよいのではと思いました。実際,自分が好きでよく読む本もそういうところがありましたから。そのようなことを意識して連載原稿に着手して,気付いたらゲームセンターのドライブゲームやアルファ ロメオの改造の話まで書いていました。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。