『精神科救急医療ガイドライン』は,全体の5%しか該当しない患者による二重盲検ランダム化比較試験(RCT)やそのメタアナリシスに基づく一般的なガイドラインが包含しない現場の困難な諸課題に対して,科学の作法で応えようとするものである。即応性・確実性と軌道修正可能・安全性との並立を理想とし,現場感覚と実証性との双方を勘案し,さらに今回の改訂版では長期展望を踏まえた短期戦術の選択という方略をこれまで以上に意識した。
「KEY WORDS」焦燥,昏迷,精神病性障害,抗精神病薬,併用,持効性抗精神病薬注射