高齢者におけるうつ病の発症・再発は,認知機能の低下や合併症,全死亡などを引き起こす重大なリスク要因となります。一方,60歳以上の高齢者の約半数でみられる不眠症はうつ病の発症リスクを約2倍に高めることが知られており1,2),不眠症治療はうつ病の予防対策としてもきわめて重要です。
不眠症治療は薬物療法と非薬物療法に大別されますが,特に高齢患者に対する薬物療法は代謝・排泄機能低下などによる薬物動態の変化,ポリファーマシーでの薬物相互作用,易転倒性などに注意を払う必要があります。一方の非薬物療法には睡眠不足の原因となる日々の行動や環境因子を対象とした標準的な行動プログラムである睡眠教育療法(SET),さらに認知療法,睡眠衛生,睡眠スケジューリング(刺激コントロール法・睡眠制限法),リラクゼーションを組み合わせた不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)があり,CBT-Iは高齢者においても不眠を長期的に改善する可能性が示唆されています3)。
不眠症治療は薬物療法と非薬物療法に大別されますが,特に高齢患者に対する薬物療法は代謝・排泄機能低下などによる薬物動態の変化,ポリファーマシーでの薬物相互作用,易転倒性などに注意を払う必要があります。一方の非薬物療法には睡眠不足の原因となる日々の行動や環境因子を対象とした標準的な行動プログラムである睡眠教育療法(SET),さらに認知療法,睡眠衛生,睡眠スケジューリング(刺激コントロール法・睡眠制限法),リラクゼーションを組み合わせた不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)があり,CBT-Iは高齢者においても不眠を長期的に改善する可能性が示唆されています3)。