― まずは抗精神病薬の使い方について,最近の傾向を教えてください。
統合失調症の薬物療法は,抗精神病薬の単剤療法を望ましいとする考え方が臨床で浸透してきました。しかし近年,単剤療法で十分な効果が得られない場合の併用療法の有効性に関する報告が散見されつつあります。
31のランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)を対象としたメタ解析では,クロザピンとアリピプラゾールによる併用療法は陰性症状に対する効果増強や,体重増加,プロラクチン上昇などの副作用軽減において比較的良好な結果が得られています1)。また,フィンランドの統合失調症患者62,250人を対象とした最長20年間の大規模コホートでは,クロザピンとアリピプラゾールの併用療法はクロザピン単剤療法に比べ再入院のリスクが有意に低く,再発予防効果も期待できることが示されています2)。
統合失調症の薬物療法は,抗精神病薬の単剤療法を望ましいとする考え方が臨床で浸透してきました。しかし近年,単剤療法で十分な効果が得られない場合の併用療法の有効性に関する報告が散見されつつあります。
31のランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)を対象としたメタ解析では,クロザピンとアリピプラゾールによる併用療法は陰性症状に対する効果増強や,体重増加,プロラクチン上昇などの副作用軽減において比較的良好な結果が得られています1)。また,フィンランドの統合失調症患者62,250人を対象とした最長20年間の大規模コホートでは,クロザピンとアリピプラゾールの併用療法はクロザピン単剤療法に比べ再入院のリスクが有意に低く,再発予防効果も期待できることが示されています2)。