プラセボ効果とノセボ効果は,日常診療や臨床試験だけではなく,インフォームド・コンセント,公衆衛生活動などの幅広い場面で起こりえます。プラセボ効果は何らかの介入による効果を期待する気持ちに起因するものであるため,主観的な症状が主体の精神科領域ではプラセボ効果を認めることが多いとされてきました。実際,PET検査によるプラセボ群と抗うつ薬治療群の比較研究では,両群に一部共通した神経生物学的変化(前頭皮質・後部帯状回などでの代謝増加,帯状膝下野・視床下部などでの代謝低下)が生じることが示されています1)。向精神薬の有効性の評価を困難にするという考えから,抗うつ薬の臨床試験ではプラセボ反応を最小化するモデルなども開発・提案されてきました2)。
一方,ノセボ効果は副作用を懸念する気持ちに起因するネガティブな反応です。倫理的観点からは,臨床試験の際には被験者に試験の介入によって起こりえるリスクをあらかじめ説明したうえで,被験者から参加同意を得る必要があります。しかし副作用についての事前説明を被験者がネガティブに受け取った場合,ノセボ効果により副作用の発生リスクが高まる恐れがあります。臨床試験では,ノセボ効果によるネガティブな影響について注意を払うとともに,原疾患に起因する痛みや悪心などもノセボ効果に含めてしまっている可能性に考慮して解釈する必要があると指摘されています3)。
今回は,プラセボ効果・ノセボ効果と関係する患者特性,アウトカムに及ぼす影響などを調査した論文を包括的にレビューし,プラセボ効果を高めてノセボ効果を軽減する戦略についてまとめたCollocaらのNEJMに掲載された報告を紹介します4)。
一方,ノセボ効果は副作用を懸念する気持ちに起因するネガティブな反応です。倫理的観点からは,臨床試験の際には被験者に試験の介入によって起こりえるリスクをあらかじめ説明したうえで,被験者から参加同意を得る必要があります。しかし副作用についての事前説明を被験者がネガティブに受け取った場合,ノセボ効果により副作用の発生リスクが高まる恐れがあります。臨床試験では,ノセボ効果によるネガティブな影響について注意を払うとともに,原疾患に起因する痛みや悪心などもノセボ効果に含めてしまっている可能性に考慮して解釈する必要があると指摘されています3)。
今回は,プラセボ効果・ノセボ効果と関係する患者特性,アウトカムに及ぼす影響などを調査した論文を包括的にレビューし,プラセボ効果を高めてノセボ効果を軽減する戦略についてまとめたCollocaらのNEJMに掲載された報告を紹介します4)。