抗精神病薬の副作用は広く知られている一方で,新薬の登場や研究の進展によって日々変遷を遂げている。なかには突然死や患者のQOLに重大な影響を及ぼす副作用もあり,そのモニタリングや対策は重要な課題である。そこで本座談会では,渡邊衡一郎先生司会のもと,国内の副作用研究の第一人者の先生方にお集まりいただき,副作用の最新情報とその対策,さらにモニタリングを含めて患者へのアプローチ方法についてご討論いただいた。
「はじめに」
渡邊:統合失調症患者では一般人口に比べて平均余命が男性で18.7年,女性で16.3年短いとの報告があり1),そのうち身体合併症で亡くなるケースも多いと推察されます。抗精神病薬にはさまざまな副作用があることが知られていますが(図1)2),心血管イベントや肺炎,イレウス,骨折などの致死的あるいは臨床上問題となる身体合併症へとつながる可能性があります。
「はじめに」
渡邊:統合失調症患者では一般人口に比べて平均余命が男性で18.7年,女性で16.3年短いとの報告があり1),そのうち身体合併症で亡くなるケースも多いと推察されます。抗精神病薬にはさまざまな副作用があることが知られていますが(図1)2),心血管イベントや肺炎,イレウス,骨折などの致死的あるいは臨床上問題となる身体合併症へとつながる可能性があります。