臨床ガイド
PNH診療の参照ガイド改訂の要旨
掲載誌
PNH Frontier
No.4 36-42,
2017
著者名
植田 康敬
/
西村 純一
記事体裁
抄録
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
PNH Frontier
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)のガイドラインは,平成17年3月に初版が発行されて以来数度の改訂を経て,平成29年3月に平成28年版として全面改訂された。この間PNHの病態の解明も進んだが,それまで特異的な治療薬がなかったPNHに対し,抗補体薬であるエクリズマブが登場したことも,特に治療指針に大きな変更をもたらした。今回の改訂のポイントは,診断基準と重症度分類の改訂ならびにPNHスクリーニングの指針である。特に治療方針に大きな影響を与える重症度分類と,どのような時にPNH血球のスクリーニングを考慮する必要があるかという指針は,見過ごされがちな稀少疾患としてのPNHを的確に診断し,また適切な治療を行うことで患者の生活の質(QOL)を改善する重要な情報として,血液内科医のみならず一般臨床医にも共有されることが強く望まれる。本稿ではこうしたポイントを中心に,改訂の要旨を解説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。