脳卒中と循環器病には共通のリスクも多く,両専門医のクロストークも年を経るごとに盛んになっている。ブレインハートチームが注目されるようになった背景には,新たな治療薬や治療機器の登場がある。脳卒中領域では塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)という疾患概念が提唱され,この診断や治療を考えるなかで循環器病との関わりが一層深まった。現状から将来に向けて脳卒中専門医がブレインハートチームに期待することは,①植込み型心電計(ICM)を活用した心房細動の検出,②心房細動例における左心耳閉鎖術,③カテーテルアブレーションによる心房細動の根治,④卵円孔開存(PFO)が関与する脳梗塞に対する閉鎖術,に要約されよう。実際の治療選択においては,患者本人の意向を尊重した共通意思決定(shared decision making)のプロセスを経ることが大切である。
THEME ブレインハートチーム Special Articles
ブレインハートチームの現状と展望:脳卒中専門医の立場から
掲載誌
Cardio-Coagulation
Vol.9 No.3 15-21,
2022
著者名
平野 照之
記事体裁
特集
/
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
媒体
Cardio-Coagulation
Key Words
塞栓源不明脳塞栓症(ESUS),心房細動,卵円孔開存(PFO),ブレインハートチーム,共通意思決定
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。