糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬が臨床で広く使用されるようになったが,SGLT2阻害薬はいくつかの大規模臨床試験において,糖尿病患者のみならず非糖尿病患者においても心腎保護作用を有することが相次いで報告された。超高齢社会を迎えたわが国において心房細動(AF)は増加しつづけており,AFは脳卒中,心不全,死亡の強力なリスク因子であることは広く知られている。SGLT2阻害薬の心保護効果のなかで,特にAFに対しても効果が期待できる可能性を支持するデータも示されている。そこで本稿では,SGLT2阻害薬のAFに対する可能性について,最近の基礎的,臨床的知見を踏まえて述べていきたい。
THEME 心不全診療の進歩と心房細動 Special Articles
心房細動とSGLT2阻害薬
掲載誌
Cardio-Coagulation
Vol.9 No.2 29-36,
2022
著者名
奥村 恭男
/
永嶋 孝一
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
媒体
Cardio-Coagulation
Key Words
心房細動(AF),SGLT2阻害薬,心不全,糖尿病,炎症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。