COVID-19ではさまざまな病態により過剰な凝固活性化を生じ,静脈血栓塞栓症を発症する。COVID-19は他のウィルス性肺炎よりも明らかに血栓塞栓症の頻度が高く,COVID-19特有の病態といえる。COVID-19でも特に重症例で血栓塞栓症の頻度が高く,抗ウィルス薬,抗炎症療法以外にも抗凝固療法が重要となってくる。これまで,ISTHや日本血栓止血学会からCOVID-19症例における静脈血栓塞栓症に対する診療ガイダンスが提言されている。抗凝固療法については,2020年12月の段階では使用薬剤,投与量,治療期間などのエビデンスがいまだ十分に蓄積されておらず手探り状態ではあるが,現段階での暫定治療指針について紹介する。
THEME COVID-19と血栓塞栓症―静脈血栓塞栓症と脳梗塞― Special Articles
COVID-19と静脈血栓塞栓症
掲載誌
Cardio-Coagulation
Vol.8 No.1 26-32,
2021
著者名
天野 達雄
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
神経疾患
/
感染症
診療科目
循環器内科
/
神経内科
媒体
Cardio-Coagulation
Key Words
COVID-19,静脈血栓塞栓症,深部静脈血栓症,肺塞栓症,抗凝固療法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。