先天梅毒は,梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subspecies pallidum:TP)が,胎盤を通過して母体から胎児に感染する多臓器の慢性感染症である.梅毒の報告数は2011年頃から増加し続け,2023年は14,000例を超えた.梅毒は,男性では20~50歳代まで幅広いのに比べ,女性では20~30歳代に集積することから,先天梅毒の増加が懸念されるが,近年,20例前後で推移していた先天梅毒は,2023年に32例で過去最多となった1).このような現状から,関連学会を中心に先天梅毒診療の手引き作成委員会が結成され,エキスパートオピニオンによる『先天梅毒診療の手引き2023』(以下,診療の手引き)が作成され,2023 年11月に無料公開された(現在は第2版)2).以下,診療の手引きから診療の要点を述べる.
小児感染症Q&A
梅毒の増加が認められていますが,先天梅毒の診断と治療について教えてください/A群溶血性レンサ球菌感染症の最近の動向について教えてください/新型コロナワクチンは,どの年齢層が,いつ接種するのがよいでしょうか?/国内の小児における急性肝炎の状況について教えてください
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.12 No.1 16-30,
2024
著者名
伊藤 嘉規
/
土橋 酉紀
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森野 紗衣子
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宮入 烈
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近藤 宏樹
記事体裁
抄録
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連載
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Q&Aシリーズ
疾患領域
感染症
/
小児疾患
診療科目
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。