B群連鎖球菌(Group B Streptococcus:GBS)はグラム陽性の球菌で,Rebecca Lancefield博士がβ溶血連鎖球菌を分類した際にB群と分類された連鎖球菌で,ヒトから臨床分離されるGBSは,きわめて稀な例外を除き,菌種はStreptococcus agalactiaeである.GBSは,症状なく女性生殖器や腸管に保菌していることが,日本人妊婦の10%前後,欧米人妊婦の10~30%と報告されている.これらの妊婦から,分娩時に新生児へ垂直感染することがあり,GBSは,新生児敗血症,髄膜炎の原因菌として重要な位置を占めている1).また,高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある方に侵襲性感染症を引き起こすことが知られており,高齢者人口の増加に伴い,非妊婦の成人GBS感染症が増加傾向にあることが知られている.
微生物ABC
B群連鎖球菌の細菌学的特徴
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.11 No.1 4-8,
2024
著者名
木村 幸司
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
感染症
/
小児疾患
診療科目
感染症内科
/
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。