私は幼少期からボーイスカウトの活動に参加しており,さまざまな年代の子どもたちと触れ合う機会が多くありました.そうした経験を通じて,いつしか子ども好きとなり,医学部卒業後は,「子どもと親御さんの伴走者になりたい」という思いで小児科を選びました.その後,富田林市の小児科の基幹病院であるPL病院で経験を積み,1996年に『ふじおか小児科』を開院しました.
富田林は人口11万ほどで,大阪府の南東部に位置し,和歌山県や奈良県に近い南河内と呼ばれる地域にあります.自然豊かで農業が盛んであり,古くからの集落もあるなか,大都市近郊の住宅地として人口流入が続き,開業当時は府内でも小児人口が増加している珍しい地域でした.しかし近年は,人口全般が伸び悩むとともに,ここ10年ほどは急速に子どもの数が減少して,いわゆる少子化の進行を肌で実感しているところです.