Topics for Health Care
中立な報道とは何か─ワクチンに関する報道のあり方─
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.7 No.1 26-29,
2019
著者名
高野聡
記事体裁
連載
/
コラム
/
抄録
疾患領域
小児疾患
/
感染症
診療科目
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
「風疹患者2,000人超え」,「百日咳1万人超」など,令和の時代になっても感染症の脅威は社会の大きな関心事だ.冬にはインフルエンザの流行が連日のニュースとなる.ただ,近年は昭和や平成初期と違い,記事中にワクチン接種による予防の呼びかけが併記されるケースが増えている.報道の現場でワクチンのベネフィットへの理解が進んでいることを実感する.一方,2013年の積極的勧奨差し止め以来,再開の目処が立たないヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの問題では,責任の一端を報道に求める意見も根強い.そこには報道の送り手と受け手の間に認識のギャップがあると感じる.本稿では,筆者らが取り組んできたHPVワクチン報道を分析し,ワクチン報道をめぐる報道の中立性について考えたい.医療者が日ごろ報道に抱いている違和感の解消につながることを願う.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。