2016年11月に改訂された「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017年版」1)の肺炎の項を参考にして小児肺炎の治療について解説する.小児肺炎の治療に関しては,まず重症度1)を把握し,入院か外来で治療するかを決定する.治療薬の選択には,非定型肺炎と細菌性肺炎の鑑別をスコア化2)して行う.鑑別スコアによってマイコプラズマ肺炎の可能性が高い場合は,初期抗菌薬治療の第一選択としてマクロライド系抗菌薬が推奨されている1).前医でマクロライド系抗菌薬が使用されて効果がない,家族の感染歴からマクロライド耐性肺炎マイコプラズマの感染が強く疑われるといった場合には,トスフロキサシンあるいはミノサイクリンの投与が推奨される.一方,鑑別スコアによって細菌性肺炎の可能性が高い場合は,外来治療の第一選択にはアモキシシリン,また,入院治療の第一選択にはアンピシリンとそれぞれペニシリン系1剤のみが推奨されている1).
小児感染症Q&A
小児肺炎の治療について教えてください
掲載誌
up-to-date 子どもの感染症
Vol.5 No.1 10-11,
2017
著者名
尾内 一信
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
小児疾患
/
感染症
診療科目
呼吸器内科
/
小児科
媒体
up-to-date 子どもの感染症
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。