臨床的な薬物療法の効果を最大化させるためには,プラセボ効果を最大限に,ノセボ効果を最小限にしていくことが必要である。減酒治療ではナルメフェンを軸に用いるが,飲酒を続けることが前提での治療のため,断酒治療とは異なる課題が生じ,その介入が求められる。合併する身体・精神問題の治療として,離脱症状,ウェルニッケ脳症,不眠への対応などを検討することが必要である。ナルメフェンでは効果が見られない場合には,適応外使用薬の検討や背景にある怒りに対して漢方薬等を用いるなどの対応を検討する。