なぜこの人は依存症になってしまったのだろうか,その背景を知りたい,何とかできないのだろうか,というのが依存症診療とかかわりたいと思う純粋なきっかけでした。旅先でみかけるシンナーを吸う少年たち,密造酒を飲みながら運転するドライバー,日本でも駅のホームや道端で酩酊状態にて寝ている社会人は,もはやありふれた光景です。
依存症のなかでも,アルコール依存症は特に日本では身近な依存症であり,まずそのようなアルコール依存症診療にご縁がありかかわらせていただいていること,またこのような原稿執筆の機会を与えていただいたことにお礼を申し上げたいと思います。
今回,「日常診療で感じること」というテーマをいただきましたので,若手として診療を継続するなかで,日々どのようなことを感じているのかをお伝えしたいと思います。