アルコール専門外来は多くの社会資源と連携し成立している。そのなかで最も重要なものは,断酒会やAAなどの自助グループである。在院時間が限られる外来の宿命として,断酒の仲間づくりが専門入院ほどできず,自助グループに入会する人も限られる。本稿では断酒会に焦点を当てた。最近の断酒会会員現況調査から,会員数の減少問題の解決が緊急の課題となっている。会員数の減少は,時代の変化に十分に対応できていないこと,会員の高齢化,新入会員数や家族会員数の減少によるところが大きい。その解決法として,医療機関から断酒会員に直接つなぐSBIRTSの全国展開が有効である。また,多機能化した専門医療の限界と弊害,利益を追求する会社の論理を持ち込んだ自助グループの組織のあり方の再考などを提言した。医療機関は自助グループとの連携を大切にすべきである。
「KEY WORDS」アルコール専門外来,自助グループ,断酒会,連携,SBIRTS
「KEY WORDS」アルコール専門外来,自助グループ,断酒会,連携,SBIRTS