エクオールは大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝された活性代謝産物である.その構造はエストロゲンと類似しており,生体内において主にエストロゲン様作用を有すことから,特に女性への幅広いヘルスケア効果が注目されている.
従来から多くの疫学的事実より,大豆イソフラボンによるさまざまな健康効果や美容効果が知られ注目もされてきたが,その効果の実態について明らかな見解を示せるだけの研究が進んでいなかった.その後,大豆イソフラボンにおける臨床研究が進むにつれ,その効果の本体がエクオールの作用であることが示されるようになり,2002年Setchellらが「エクオール仮説」を提唱した1).その後多くの研究が進行し,この仮説は実証され,従来「大豆イソフラボン効果」と言われてきたものは大豆イソフラボンが体内でエクオールまで代謝されないとその効果が発揮されないことが示される結果となった.エクオールは個々の腸内細菌の種類やその状態により生体内での産生能は大きく異なる.エクオール産生能の優位性について更年期障害が軽い2),骨密度や脂質プロファイルが良好1)3),乳癌,前立腺癌のリスクが低い4)5),など多くの健康効果が認められている.エクオール産生能を有するものは,これまで日本人の約半数と言われていたが,最近の調査では約3割との報告もあり6),食の欧米化やライフスタイルの変化により日本人のエクオール産生者の減少傾向と,それに伴う更年期症状の重症化や各種疾患リスクの増加などが懸念される.
従来から多くの疫学的事実より,大豆イソフラボンによるさまざまな健康効果や美容効果が知られ注目もされてきたが,その効果の実態について明らかな見解を示せるだけの研究が進んでいなかった.その後,大豆イソフラボンにおける臨床研究が進むにつれ,その効果の本体がエクオールの作用であることが示されるようになり,2002年Setchellらが「エクオール仮説」を提唱した1).その後多くの研究が進行し,この仮説は実証され,従来「大豆イソフラボン効果」と言われてきたものは大豆イソフラボンが体内でエクオールまで代謝されないとその効果が発揮されないことが示される結果となった.エクオールは個々の腸内細菌の種類やその状態により生体内での産生能は大きく異なる.エクオール産生能の優位性について更年期障害が軽い2),骨密度や脂質プロファイルが良好1)3),乳癌,前立腺癌のリスクが低い4)5),など多くの健康効果が認められている.エクオール産生能を有するものは,これまで日本人の約半数と言われていたが,最近の調査では約3割との報告もあり6),食の欧米化やライフスタイルの変化により日本人のエクオール産生者の減少傾向と,それに伴う更年期症状の重症化や各種疾患リスクの増加などが懸念される.