実臨床において用いる癌薬物療法のレジメン選択の際には,各種ガイドライン,ガイダンスを参考にすることが多い。わが国においては,NCCNガイドライン,JSMOガイダンス,頭頸部癌診療ガイドラインなどが参考とされるが,それぞれに掲載されているレジメンの数,内容,そして推奨度などは異なる。
セツキシマブの登場以降,再発転移性頭頸部扁平上皮癌に対する臨床試験が数多く行われ,結果的にレジメン数は増加し,治療選択に戸惑うことがある。世界中で参考とされているNCCNガイドラインとわが国のJSMOガイダンスに掲載されているレジメンの背景と特徴をしっかりと確認することで,実臨床における個々の患者に最適な治療の提供が可能となる。
今後の実臨床のさらなる改善につながるような新規薬剤と新規レジメンの登場にも期待したい。