微生物と感染症診療
肺炎桿菌
掲載誌
感染症道場
Vol.3 No.1 26-33,
2014
著者名
松本 哲哉
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
消化器
/
血液
/
泌尿器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
泌尿器科
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血液内科
/
耳鼻咽喉科
/
麻酔科
/
老年科
/
手術・救急
/
小児科
媒体
感染症道場
「はじめに」肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)は, 呼吸器感染症や尿路感染症, および肝・胆道感染症の主要な起炎菌であり, 菌血症や敗血症も起こし得る. 臨床検体から高い頻度で分離されており, 本菌による感染症に遭遇する頻度は高い. 最近では, 本菌の耐性化が問題となっており, 本菌の特徴をよく理解して診療面の対応を行うことが重要である. 「細菌学的特徴」肺炎桿菌は, グラム陰性桿菌で腸内細菌科に属しており, ヒトの腸管内の常在菌である. クレブシエラ(Klebsiella)という名前は19世紀のドイツ人細菌学者のEdwin Klebsにちなんでつけられている. Klebsiella属には7菌種が含まれ, 肺炎桿菌が臨床的に最も重要な菌種である. 同じKlebsiella属の菌として, 臨床検体からはK. oxytocaもときに分離される. 肺炎桿菌はグラム染色では太い桿菌が認められ, 莢膜の存在により菌周囲の色が抜けてみえる(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。