低Na血症は入院患者でしばしば認められ,浸透圧性脱髄症候群(osmotic demyelination syndrome;ODS)などの重大な合併症に関連する。近年発表されたガイドラインでは,ODSのハイリスク患者に対し血清Na濃度の補正速度が8mEq/L/日を超えないことが推奨されている。重症低Na血症において血清Na濃度の過剰補正をコントロールするのにデスモプレシンの使用が推奨されているが,これは限られたデータをもとに作成されているため,本研究では重症低Na血症に対するデスモプレシン製剤の使用戦略についてレビューする。