「はじめに」心不全治療の基本は体液過剰,すなわち水分・塩分の貯留を是正することにある。そのためには水・NaClのintake(経口摂取または補液)とoutputとのin/outバランスに注目し,output優位になるよう“塩分制限”によりintakeを減らすか,“利尿薬治療”によりoutputを増やすのが常である。このとき,最終のin/outバランスが同じ限り,一見両者は同じ治療行為のように思われるが,実は予後への影響は大きく異なることがわかってきている。そもそも塩分制限のみでうっ血を解除できる症例には限りがあるため直接両者を比較するのは困難だが,過去の知見から“利尿薬治療を主とする”スタンスがより良好な予後をもたらす可能性が示唆される。
※本企画は,正誤の決着をつけることを目的としたものではなく,また執筆者本人の研究・臨床上の立場を示すものではありません。
・厳格な塩分制限を主とする立場から/下田奈央子 ほか
・利尿薬治療を主とする立場から/萬代新太郎 ほか
※本企画は,正誤の決着をつけることを目的としたものではなく,また執筆者本人の研究・臨床上の立場を示すものではありません。
・厳格な塩分制限を主とする立場から/下田奈央子 ほか
・利尿薬治療を主とする立場から/萬代新太郎 ほか