Focus
弁膜症手術におけるトルバプタンの有効性の検討
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.3 No.3 96-101,
2013
著者名
工藤智明
/
美甘章仁
/
濱野公一
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「はじめに」 2010年12月よりわが国において認可されたトルバプタンは, 電解質排泄の増加を伴わず過剰な水のみを排泄する「水利尿薬」であり, 電解質異常や腎機能障害をきたさないとされ, 心臓手術の周術期におけるトルバプタンの投与は体液管理や心不全治療に有用である可能性が考えられる. われわれは, 弁膜症術後体液貯留に対して通常治療にトルバプタンを追加投与することで, 体液貯留の早期改善に与える影響について比較検討した. 「対象」 20~85歳で弁疾患に対して手術を施行予定の患者(15例, 男性:女性=7:8)を対象とした. 「方法」 2013年3月からの弁膜症手術を受けた患者を封筒法でトルバプタン投与群および非投与群の2群(トルバプタン投与群:5例, 非投与群:10例)に分け, トルバプタンの効果について比較検討した. トルバプタン投与群は, 利尿薬を含む標準治療に加えて手術当日の朝からトルバプタン7.5mgを経口投与し, 術前体重値に戻った段階で内服を中止した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。