【特集 利尿薬抵抗性(diuretic resistance)】
利尿薬抵抗性とは(定義を含めて)
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.3 No.3 15-19,
2013
著者名
飯野貴子
/
伊藤 宏
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「Summary」 ループ利尿薬は強い利尿効果をもち, 体液過多によるうっ血症状の軽減に欠かせない薬剤となっている. しかしながら, これまで急性非代償性心不全および慢性心不全の症例を対象とした研究が行われ, ループ利尿薬の使用量が多いほど予後が悪いことが報告されてきた. 予後不良のメカニズムが検討されるなかで着目されたのが, ループ利尿薬使用例における「利尿薬抵抗性」である. 利尿薬抵抗性とは, うっ血症状に対して利尿薬を投与する経過において, 同じ投与量でNa利尿が減少する, 同じ利尿効果を得るのにより多量の利尿薬を要する状態である. 正式には, 「利尿薬濃度に対するNa排泄分画(fractional Na excretion)の低下」と定義される. この背景には実に多彩なメカニズムが指摘されており, 個々の症例により対策を講じる必要がある. 「はじめに」 利尿薬は, 細胞外液の過剰により引き起こされるうっ血性心不全, 腎性・肝性浮腫, 高血圧症などさまざまな病態に対して使用され, 日常臨床において処方する頻度の高い薬剤の1つである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。