Summary
中枢性尿崩症および腎性尿崩症は,抗利尿ホルモンであるバソプレシンの欠乏ないし作用障害により口渇,多飲,多尿をきたす疾患である。したがって,腎集合尿細管においてバソプレシンV2受容体作用を阻害するバソプレシン受容体拮抗薬は,尿崩症の治療薬として本来用いられるべき薬剤ではない。しかし,予想外にも一部の非ペプチド性バソプレシンV2受容体拮抗薬が,細胞内でchemical chaperoneとして機能し,遺伝性腎性尿崩症における変異バソプレシン受容体蛋白のミスフォールディングを修復することにより抗利尿作用を発揮することが明らかにされた。その効果は薬剤ならびに変異の種類により異なることから,現在基礎的ならびに臨床的検討が進められている。
全文記事
バソプレシンと受容体拮抗薬の臨床応用
尿崩症
Diabetes insipidus
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.1 No.2 22-25,
2011
著者名
岩﨑 泰正
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
代謝・内分泌
/
腎臓
/
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
媒体
Fluid Management Renaissance
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。