Appeal to eye
骨の微細構造学 第3回 前骨芽細胞―その多様性と機能―
Preosteoblast -cellular diversity and function-
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.2 No.2 66-70,
2012
著者名
佐々木宗輝
/
本郷 裕美
/
長谷川 智香
/
山田珠希
/
網塚 憲生
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
骨芽細胞の前駆細胞として, 前骨芽細胞をあげることができる. 骨芽細胞は骨基質上に局在し, 活発に骨形成を行う一方, 細胞増殖をすることはない. これに対して, 前骨芽細胞は骨芽細胞の性質をもちながら細胞増殖を行う細胞である. 長管骨では, 前骨芽細胞は骨髄と骨芽細胞のあいだに局在し, さまざまな細胞と接触を保っている. すなわち, 前骨芽細胞は単に骨芽細胞の予備軍ではなく, 積極的に骨代謝に参画する細胞でもある. 一般に, 骨芽細胞はグループを形成して機能していることを念頭におくと, 個々の骨芽細胞が局所因子や全身性ホルモンの影響を受けるよりも, 前骨芽細胞といった司令塔あるいは指揮者が存在するほうが, 効率よく, また同調した機能を営めることが容易に想像できる. 骨細胞が骨基質内部の情報を伝える細胞であるならば, 前骨芽細胞は周囲の情報を骨芽細胞へと伝えたり, 破骨細胞を調節する細胞といってもよいかも知れない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。