SERMの意義と課題
女性は閉経後,卵巣機能の低下により血中エストロゲン濃度が著しく減少し,骨量低下をきたすとともに脆弱性骨折リスクが高まる.そこで,減少したエストロゲンを補うことによる更年期症状の緩和と脆弱性骨折リスクの低減を目的に,ホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)が広く実施されてきた.しかし,2002年に米国において報告された大規模臨床試験の結果から,HRTによる心血管イベントや乳癌などのリスク上昇が報告され,骨粗鬆症治療に対するHRT選択はより慎重なものとなった.このような状況のなか,HRTの問題点を補う治療薬として選択的エストロゲン受容体モジュレーター“SERM”の開発が注目されることとなった.
全文記事
O.li.v.e. PLUS
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM) は,各薬剤ごとに異なった作用発現の分子機構をもち,それが臨床効果の相違にも反映されている可能性がある.
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.1 No.1 64-68,
2011
著者名
太田 博明
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
整形外科
/
産婦人科
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。