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Appeal to eye
骨の微細構造学 第1回 骨を支える細胞―骨細胞―
Bone supporting cell―osteocytes
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.1 No.1 6-9,
2011
著者名
佐々木宗輝
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本郷 裕美
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長谷川 智香
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山本 恒之
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網塚 憲生
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
骨・関節
診療科目
一般内科
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整形外科
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産婦人科
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老年科
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
骨細胞(osteocytes)は骨芽細胞自らが産生した骨基質中に埋め込まれた細胞であり,骨基質中の骨小腔(osteocytic lacuna)という空間に存在している.このような骨細胞は骨基質を合成する骨芽細胞が基質合成をしながら埋め込まれたものであり,その際に周囲の骨細胞や骨芽細胞に向けて多数の細胞突起を伸ばす.それら突起は骨細管(osteocytic canaliculi)と呼ばれる細い管を通って骨基質内に張り巡らされている.骨細胞の細胞突起は,骨細胞同士や骨表面に位置する骨芽細胞の突起と互いにギャップ結合で連絡することで細胞間情報交換が可能となり1),骨細胞によるネットワーク,すなわち骨細胞・骨細管系(osteocyte lacunar-canalicular system)を形成している.したがって,骨細胞・骨細管系は機能的合胞体を形成しており,骨細胞は,まさに骨を支える細胞と考えることができる.本連載のはじめとして,骨細胞の生理的な微細構造をご覧頂きたい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。