25th International AIDS Conference(AIDS2024)会議はHIV感染症/AIDSに関する研究成果の共有ばかりでなく,科学的知見から得られるよりよいエイズ対策を世界各国で生かすことを目標にした会議である。2024年度は“put people first”をスローガンとして,HIV感染症におけるkey populationの人々を中心に据えた対策の推進を訴えた。2024年度の候補地選びの際,AIDSや感染症対策の立ち遅れた東ヨーロッパでの開催が検討されていたが,ウクライナ戦争などの為,ミュンヘンでの開催になった。筆者は,運営評議員として7月18日に現地入りし,19日朝からの運営理事会に参加した。開催前々日と前日に行われた2つのプレカンファレンスには多くの関係者が集まった。22日のオープニングセッションには,開催国ドイツのOlaf Scholz首相が登壇し,HIV対策に対するドイツの強い決意を表明,2030年までにHIV関連のあらゆる偏見と差別をなくすための世界行動パートナーシップの署名国になったと発表した。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のWinnie Byanyima事務局長は,PURPOSE 1試験の結果を受けて,年2回の注射でHIV感染を完全に阻止するレナカパビルを「奇跡の予防ツール」と表現し,世界への供給に言及した。
学会Report
25th International AIDS Conference(AIDS2024)
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.15 No.1 69-72,
2024
著者名
松下 修三
記事体裁
抄録
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学会レポート
疾患領域
アレルギー・免疫
/
感染症
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。