岡 2024年初頭に,HIV 感染症の曝露前予防内服(pre-exposure prophylaxis;PrEP)としてエムトリシタビン,テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の合剤(TDF/FTC)の公知申請による適応追加の承認申請が行われました1)。2010年ごろからTDF/FTCを用いたPrEPの臨床試験が欧米で盛んに行われ,2012年に米国食品医薬品局(food and drug administration;FDA)で承認されてから,さまざまな国でその有効性が証明されています。2015年には世界保健機関(world health organization;WHO)より発展途上国,先進国を問わず,リスクのある方に対してPrEPを推奨するガイドラインが発表されました2)。つい先日にはレナカパビル注射剤を用いた6ヵ月に1回のPrEPで,感染者が確認されなかった報告も上がっています3)。注射剤は従来の経口投与と比較しアドヒアランスを考える必要がない点でメリットがあり,成績も経口投与と比較し有意に上回っています。経済的な面を除けば,世界では新規感染ゼロを達成する方法論は確立されている状況です。
座談会
PrEPの現状と将来展望
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.15 No.1 4-12,
2024
著者名
岡 慎一
/
岩橋 恒太
/
塩尻 大輔
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水島 大輔
/
南 留美
記事体裁
抄録
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座談会・対談
疾患領域
感染症
/
アレルギー・免疫
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。